| 任意後見制度について
15 任意後見制度とはどのようなものですか。
16 任意後見制度の特徴を教えてください。
17 任意後見契約ではどんなことを決めておくことができますか。
18 任意後見契約を結ぶ手続を教えてください。
19 任意後見人は誰に頼めばよいでしょうか。
20 身内の者が任意後見人になる場合、気を付けることはありますか。
21 任意後見契約を結んだ後、判断能力が低下したら、どのようにして任意後見がスタートするのですか。
22 任意後見監督人の選任手続を教えてください。
23 任意後見監督人はどのようなことをするのですか。
24 既に少し判断能力が低下してきているのですが、任意後見契約を結ぶことはできます。
25 まだ頭はしっかりしているのですが、身体が不自由なので財産管理は今のうちから代理人に任せたいのですが、このような契約はできますか。
26 任意後見人の事務処理にかかる費用はどのように支払うのですか。
27 任意後見人の報酬は必要ですか。
28 任意後見契約を結ぶ時の必要書類と費用を教えてください。
29 任意後見契約の内容を後で変えたり、契約を解除することはできますか。
30 任意後見契約と遺言を組み合わせることはできますか。
31 葬儀等の死後事務について、任意後見人に任せることができますか。
*成年後見制度全般について→【制度全般ついて】
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15 任意後見制度とはどのようなものですか。 |
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本人が前もって代理人(任意後見人)を選んでおき、後日、自分の判断能力が不十分になった場合にその代理人に財産管理や身上監護を委ねる、という契約を結んでおくことができます。
本人がそのような状態になったときに、家庭裁判所が「任意後見監督人」を選任し、任意後見監督人の監督の下で任意後見人によるサポートを受けることができる制度です。
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16 任意後見制度の特徴を教えてください。 |
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法定後見(後見・保佐・補助)と比べ、誰にどのようなサポートを受けたいかを、判断能力があるうちに自分で決めておくことができるのが最大の特徴です。
自分のことは自分で決めたいという自己決定権を最大限に尊重し、判断能力の低下後も残された能力をできるだけ活用し(残存能力の活用)、通常の社会生活を営めるようにするという理念に基づき作られた制度です。
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17 任意後見契約ではどんなことを決めておくことができますか。 |
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任意後見は契約ですから、誰を任意後見人に選ぶか、その任意後見人にどこまでの権限を与えるかは、本人と任意後見人を引き受ける人との話し合いにより、自由に決めることができます。
契約の中身は、本人が将来判断能力の不十分な状態になったときに、本人の生活、療養監護、財産管理に関する事柄の一部または全部を任意後見人に委託するというものです。
任意後見人にどのような事務を委託するかということに加えて、本人が、老後をどう生きたいかという「ライフプラン」を任意後見契約に盛り込んで、任意後見人がどのようにその事務を行うかの指針とすることも有益でしょう。
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18 任意後見契約を結ぶ手続を教えてください。 |
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任意後見契約を結ぶときは、必ず公証人に依頼し、公正証書でしなければなりません。
これは、公証人が関与することにより、本人の真意に基づいて契約が締結されたことを確認し、法律に適った適正な内容の契約が作られることを確保するためです。
また、契約書の作成から、効力が発生するまではある程度の年月が予想されますが、公正証書にしておけば、原本は公証人役場に保管されますから、その期間に契約の内容が判らなくなるといった問題を防ぐことができます。
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19 任意後見人は誰に頼めばよいでしょうか。 |
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一定の欠格事由に該当しない限り、成人であれば誰でも任意後見人に選ぶことができます。
本人の子、兄弟姉妹、甥姪などの親類や知人でも構いませんし、弁護士、司法書士、社会福祉士などの専門家を選ぶことも可能です。また、社会福祉法人や社会福祉協議会、信託銀行などの法人を任意後見人とすることもできます。
任意後見人は複数選んでもよく、この場合、それぞれの代理人が単独で代理権を行使できるようにするか、権限を分掌させるか、または複数の代理人が代理権を行使するには共同してしなければならない、といったことを定めることができます。
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20 身内の者が任意後見人になる場合、気を付けることはありますか。 |
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任意後見人の仕事には、財産管理だけでなく本人の生活支援や療養監護も含まれることから、信頼できる身内の方が選任されることも多いと思われます。
しかし、生活支援や療養監護の中身には、本人の心身の状態や生活状況に配慮しつつ介護契約や施設への入所契約を行うことも含まれますので、福祉に関する知識が必要になります。
また、財産管理の場面では、不動産や保険、金融などの分野でいろいろな判断を下す必要もあるでしょう。
したがって、身内の方が任意後見人になった場合、法律、税務、福祉などの分野で専門家のサポートを受けられることが望ましいでしょう。
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21 任意後見契約を結んだ後、判断能力が低下したら、どのようにして任意後見がスタートするのですか。 |
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任意後見契約を締結した後、認知症、知的障害、精神障害などの精神上の障害により本人の判断能力が不十分な状況になったときは、任意後見契約の効力を発生させるために、家庭裁判所に任意後見監督人の選任を申し立てます。
家庭裁判所が、任意後見監督人を選任したときからこの契約の効力が発生し、任意後見人の事務処理がスタートします。
ここでいう「判断能力の不十分な状況」とは、少なくとも法定後見の「補助」に該当する程度の状況をいいます。
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22 任意後見監督人の選任手続を教えてください。 |
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任意後見契約の効力を発生させるためには、任意後見監督人の選任の申立が必要ですが、この申立は、本人の住所地を管轄する家庭裁判所に行います。
本人、配偶者、四親等内の親族または任意後見人になることを引き受けた人が申立をすることができます。
本人以外の人が申し立てる場合には、本人が自分の意志を表示することができる状況にある限り、本人の同意が必要です。自己決定の尊重の観点から、本人の意志に反して任意後見がスタートすることがないようになっています。
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23 任意後見監督人はどのようなことをするのですか。 |
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任意後見がスタートするのは、本人の判断能力が低下してから後のことですから、任意後見人の活動を本人がチェックすることは難しいため、家庭裁判所の選任した任意後見監督人が、これを行うことになっています。
任意後見監督人は、任意後見人から事務処理状況の報告を受け、これを定期的に家庭裁判所に報告することになっています。
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24 既に少し判断能力が低下してきているのですが、任意後見契約を結ぶことはできますか。 |
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多少判断能力が低下した程度であっても、契約を結ぶことができるだけの判断能力があれば、任意後見契約を結ぶことはできます。この場合は、本人に契約締結に必要な判断能力があるかどうかについて、医師の診断を受けるなど慎重な準備をすることが必要でしょう。
契約が可能な場合、契約締結後すぐに任意後見監督人の選任を申し立て、任意後見人の事務処理をスタートさせるいわゆる「即効型」の契約も考えられます。
もし、判断能力があると認められない場合は、任意後見契約を結ぶことはできず、法定後見の手続によることになります。
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25 まだ頭はしっかりしているのですが、身体が不自由なので財産管理は今のうちから代理人に任せたいのですが、このような契約はできますか。 |
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判断能力が低下しないうちに財産管理を委託することは、任意後見ではなく通常の委任契約を結ぶことで可能です。そして、もし将来判断能力が低下したときに備えて任意後見契約を同時に結んでおくこともでき、こうしておけば、委任契約から任意後見契約に円滑に移行させることができ、代理人による事務処理が中断されることがありません。
これら二つの契約は1通の公正証書で作ることができます。これが「移行型」と呼ばれるものです。
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26 任意後見人の事務処理にかかる費用はどのように支払うのですか。 |
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財産管理や療養監護のためにかかった費用は、任意後見人が管理する本人の財産から支払うことになります。
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27 任意後見人の報酬は必要ですか。 |
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任意後見契約は、委任契約の一種ですから、有償でも無償でもよく、報酬を支払う場合はその金額や支払方法はすべて契約で定めることになります。
任意後見監督人の報酬は、家庭裁判所が決めることになっており、この報酬は本人の財産から支払われます。
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28 任意後見契約を結ぶ時の必要書類と費用を教えてください。 |
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必要書類は、本人の印鑑証明書、戸籍謄本、住民票および任意後見人になる人の印鑑証明書、住民票などです。
任意後見契約書の作成そのものの費用は、公証人の手数料や登記費用その他として約3万円程度です。
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29 任意後見契約の内容を後で変えたり、契約を解除することはできますか。 |
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変更につき、任意後見人の代理権の範囲を拡張する場合は、既存の契約を解除して、あらためて契約をし直すか、既存の契約はそのままにして拡張された代理権のみに関する新たな任意後見契約を締結する必要があります。
任意後見人になってもらう人を変更したい場合や、その代理権を縮減したい場合は、いったん既存の契約を解除して、新たな内容に沿った契約を締結しなければなりません。
任意後見監督人が選任されていれば、新たな任意後見契約について任意後見監督人の選任の申立をする必要があります。
代理権の範囲に関すること以外の事項(報酬額など)を変更するときは、変更契約の公正証書を作ることにより変更が可能です。
解除に関しては、任意後見監督人が選任される前ならば、いつでもどちらからでも解除できます。双方が合意の上、契約を解除することもでき、どちらの場合も公証人の認証を受けた書面が必要です。
任意後見監督人が選任された後に任意後見契約を解除するには、正当な理由がある場合に限り、家庭裁判所の許可を受ける必要があります。
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30 任意後見契約と遺言を組み合わせることはできますか。 |
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任意後見の開始後、本人が死亡するとその時点で任意後見契約は終了します。
老後に自分の財産をどう使うかは任意後見契約によって尊重されるとして、残った財産を誰にどのように承継させるかは、任意後見契約ではカバーできず、遺言により指定する必要があります。
このように、老後のライフプランたる任意後見契約と、死亡後の財産処分である遺言とは一連のものととらえることができるでしょう。
ただし、任意後見と遺言はその作成方法が全く異なりますので、一つの文書に両方を盛り込むことはできません。
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31 葬儀等の死後事務について、任意後見人に任せることができますか。 |
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任意後見契約とは別に任意代理契約で死後事務について定めることで、任意後見人に死後事務を委任することができます。任意代理契約は公正証書にする必要はありませんが、後日の紛争に備え、公正証書にしておくことをお薦めします。
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*成年後見制度全般について→【制度全般ついて】
*成年後見制度以外のQ&A→【そのほかのQ&A】
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